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無眼薬師(むげんやくし)
舊城寺には本堂の他に薬師堂があるのは、ご存知かと思います。その薬師堂に奉られているのが、今回紹介させていただく「無眼薬師」になります。もともとは舊城寺よりも古くに起源がありさかのぼれば室町時代のことになります。当時、現在の三保町のあたりでは悪性の眼病が大変流行したそうで、それを嘆いた村の長であった佐藤小左衛門氏が、現在も薬師谷戸と名の残る土地に堂を建立しそこに薬師如来像を安置して奉ったのが始まりです。この薬師如来像は、願いが叶い村民の眼病が治ったあかつきには眼を入れるという趣旨で眼を入れなかった、眼の悪い人々にお薬師様が自身の眼を与えたなどと言い伝えられています。
それ以来現在に至るまで「無眼薬師」と呼ばれ崇められています。一説によると目の無い薬師像は日本唯一とか・・・
「無眼薬師」は秘仏とされ、厨子に戸を閉めた状態で奉られています。十二年に一度、寅年に周辺寺院と共に武相寅歳薬師如来霊場が催され、その際には開帳され直接参拝できます。言い伝えでは、この開帳の時以外に厨子を開き眼の無い薬師如来の姿を見ると逆に目が悪くなってしまうそうです。薬師霊場については、またご紹介させて頂きます。
薬師堂はその後舊城寺の管理下になり、享保年間(十八世紀)に境内に移築され、現在の堂は昭和六十年に檀信徒の皆様のご援助ご協力により建てられました。毎年一月八日の薬師の初縁日には、薬師堂において薬師護摩を修しご参拝いただいています。お時間有ればぜひご参拝ください。
舊城寺たより 第2号より抜粋
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