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お薬師さま(薬師如来)

令和4年(2020)は寅歳(とらどし)ということで、四月九日から五月八日まで、十二年に一度の武相寅歳薬師開扉が行われます。この御開帳は、舊城寺をはじめとする横浜北部と町田市の二十五の寺院が十二年に一度一斉に秘仏としている薬師如来の御開帳を行うものです。


秘仏とは、普段厨子の中に扉を閉じた状態で奉られ直接参拝できない状態の仏さまです。寅歳の一か月だけ扉が開かれその姿を直接参拝出来るのです。

この霊場は一八〇〇年頃、舊城寺の住職が発起し近在の十二か寺で御開扉したのが始まりという言い伝えはありますが、史実に基づいているのか、実際の経緯ははっきりしていません。

しかし人々の熱心な信仰に支えられたこの霊場は、年々拡大され町田市を含む現在の霊場となったことは確かです。そこで今回、お薬師さまのお話を簡単にさせて頂きます。


今回の御開帳の主役でいらっしゃるお薬師さまはそのお名前を薬師如来あるいは薬師瑠璃光如来ともいい、大医王仏などとも呼ばれます。東方の仏さまの国の東方浄瑠璃世界(瑠璃光浄土とも)の主で、修行時代に、人々の病気を治すと誓い仏と成られました。そのため医薬の仏として信仰されて来ました。そのお姿は右手は掌を見せるような形で掲げ、左手の上に薬の入った壷を持つ形でいらっしゃることが一般的です。


病に抗う術のほとんどなかった時代は特に信仰され、全国に建てられた国分寺のほとんどがお薬師さまを奉っていました。

舊城寺だより第七号より抜粋

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